起こったのは、いつも通りのあの日。
次に起こるのは、いつも通りの今日かもしれない。
知ろう。語ろう。あの日のことを。
About
地下鉄サリン事件とは
大都市で一般市民に対して化学兵器が使用された、世界史上初のテロ事件「地下鉄サリン事件」。
1995年3月20日(月) 午前8時ごろ
東京都内の地下鉄丸ノ内線・日比谷線・千代田線の車内で、化学兵器サリンがまかれ、14人の死者、6500人近くの重軽症者を出す未曾有の大惨事となった。
カルト教団「オウム真理教」教祖の指示のもとに、教団幹部15名が実行したものと確定している。 27年経った今なお、様々な心身の不調を抱え、後遺症から解放されない被害者も少なくない。この事件を忘れないため、事件後に生まれた若者たちに語り部(被害者)一人一人が深く静かに話をするオンラインイベントが開催された。このサイトは、それを発信することで次世代に語り継いでゆく場である。
Voice
語り部(被害者)の声
Stories
1人1人に起こった"リアル"を知る
いつもの車内で、突然何が起きたのか。
地下鉄サリン事件の後に生まれた人たちに、語り部がじっくり話します。
※地図はイメージです。事件当時とは異なる場合がございます。
聞き手の声
●R.M.(21才)
当時の様子をニュースやドキュメンタリー番組での側面でしか知らない私にとって、一つ一つが衝撃だった。人を助けていたはずの自分が呼吸困難になってしまったという事実。メディアでは取り上げられない「生きた声」がこの会では存在していた。事件の1日が、私たちと変わらない平凡な一日の朝であったこと、そしてその平和は突発的にではなく時が進むと同時に徐々に崩れていったということ。現代では、事件を知らない人も多くいて、だからこそ過ちを繰り返す。自分事として受け止める必要がある。
●A.H.(20才)
「実際に何が起こったのかはわからなかった」に驚かされた。何が自分の身に起こっているのかわからないまま、自分も周囲も次々とやってくる恐怖に巻き込まれるのは、思い出したくもない恐怖であろう。インターネットや連絡網が発達した今でも、もし、自分が同じようなテロに巻き込まれた時、きっと自分は見えない、わからない恐怖に飲み込まれるのだろうと感じた。また、会の終盤で、自分もいつでも被害者にも、また加害者にもなり得るのだという恐怖に背中がひんやりとした。
●M.Y.(24才)
「それに比べて私は幸せ」と言われたことがあり、経験を話すことで踏み台にされる気がして今まで話さなかった、とおっしゃっていたのが印象的だった。事件当時、電車内で爆発事故が起こったと聞き、袋に入った液体がサリンだと気が付かずサリンを踏みながら歩いたとお聞きし、日常を過ごしていた中でいきなり起きたことなのだということを実感しテロの恐ろしさを感じた。
●M.O.(26才)
事件に遭われた後もそのまま出社された事に驚きました。上司から目の異常を指摘され、比較的早く治療を受け幸い後遺症もほとんど残らなかったそうです。一方で、同僚の方は通常通りに業務にあたられ、事件に巻き込まれた事に気づくのが遅くなり処置が遅れてしまったために、後遺症が残ってしまったそうです。「人間には正常性バイアスがある」ということを知っておくと、特に未曾有の事件や災害下では、命を守るために広い視野を以って判断する際に役立つと思いました。
●N.M.(23才)
当事者が抱える不安について学びました。事件当時の「何が起きているのか」から始まり、「自分は助かってしまったから、また狙われるのではないか」という不安、そして世間で事件が風化していき、自身が孤立していくような不安…。「事件に遭ってからが始まりであり、事件は過去のことではない」とおっしゃっていたのも、とても心に響いております。「過去のことだ」と認識してしまうのは、いかに残酷なことであるかと思います。
●R.Y.(21才)
災害・事件・闘病、なかなか人には伝えられない悩みを抱えている人たちがいますが、わからないからと言って突き放さないこと、そして勝手な自分の物差しで相手を決めつけないこと、まずは「お話を聞いても良いですか?」と歩み寄ることが大切だと強く感じた2時間半でした。
●H.I.(19才)
(全体会では)司会者の言葉で、参加者と語り部のみなさんとで感覚を共通でき、リラックスして前のめりになってお話を聞くことができました。(分室の対話では)どんな言葉があっているのか、どんな言葉で語り部さんたちは傷ついてしまうのか、少し不安もある中で、サリン事件についてよく知ってらっしゃるファシリテーターさんの存在は私にとってとても安心材料になりました。
現代の、この日本で
大規模テロに遭うということ
《今》同じ状況に遭遇したとき、適切に対処できるように。
《今なお》事件で苦しんでいる人のことを、目の前で理解するために。
《今より》先の時代に、この経験・教訓を確実に繋いでゆくために。
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